現在のダイヤモンド市場とその悲しい現実
ダイヤモンドの装飾石としての価値が上がるにつれて、ダイヤモンド産地の開拓が進んでいきました。
当初ダイヤモンドはインドでしか採掘できないとされていました。しかし、18世紀にブラジルでもダイヤモンドが採掘されると、世界各地でダイヤモンド探しが始まりました。その結果、現在では南アフリカが最も大きな採掘場として知られています。
南アフリカ産のダイヤモンド原石が市場の90%を占めるほど、南アフリカではダイヤモンドが獲れました。
これが次にお話しする、ダイヤモンドにまつわる悲しい現実の伏線となっていきます。
皆さんは、とあるダイヤモンドが『ブラッドダイヤモンド(血塗られたダイヤモンド)』、『ダーティダイヤモンド(汚れたダイヤモンド)』、『ウォーダイヤモンド(戦争ダイヤモンド)』と呼ばれているのを知っていますか?
ダイヤモンドの有力産地である南アフリカでは、紛争が絶え間なく起こっています。この紛争の資金を稼ぐために反政府軍がダイヤモンドを採掘し、先進国に売っています。ダイヤモンドを売って得られた資金によって紛争が長期化しているため、この戦争のために売られたダイヤモンドたちは『ブラッドダイヤモンド(血塗られたダイヤモンド)』、『ダーティダイヤモンド(汚れたダイヤモンド)』、『ウォーダイヤモンド(戦争ダイヤモンド)』と呼ばれています。
これ以上ダイヤモンドを戦争に利用させないために2000年にキンバリープロセスという制度が採択されました。これはダイヤモンドに対して、ブラッドダイヤモンドではないという国際証明書を付けることで、キンバリープロセス加盟国以外への輸出入を制限する政策です。
これにより現在では、ブラッドダイヤモンドの流通量は1%以下と言われています。