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人工ダイヤモンドの歴史

ダイヤモンドについて

人工ダイヤモンドの歴史

天然ダイヤモンドと見分けるのが困難な人工ダイヤモンドはどんな経緯で開発されるようになったのでしょうか?
ここでは人工ダイヤモンドの歴史について説明していきたいと思います。

人工ダイヤモンドの始まりは18世紀末にダイヤモンドが炭素原子Cによって構成されていることが証明された時です。この証明により、当時の科学者や発明家がこぞって自分の手でダイヤモンドをつくることを夢に見て人工的なダイヤモンドの生成に挑戦していきました。
この挑戦の時代とも言える18・19世紀に2つの発見がありました。

1つ目は、1880年頃のイギリスのハネーによる発見です。
ハネーはきんバーライトの中にダイヤモンドが発見されたことを手がかりにダイヤモンドの生成には高温高圧の環境が必要であると考えました。そこでリチウムや骨油などを混ぜた者を鉄管に入れ、加熱するという方法を考案しました。

2つ目は、1890年頃のフランスのモアッサンによる発見です。
モアッサンは隕石の中からダイヤモンドが見つかったことを手がかりに高温の鉄に炭素を溶かし、これを急速に冷やすことで内部に高圧をかける方法を発案しました。

2人の実験は周囲から期待されていましたが、成功することはありませんでした。

その後1940年代には、アメリカのゼネラル・エレクトリック社が他社と合同で人工ダイヤモンドの研究を始めますが、第二次世界大戦の影響で中止せざるを得ませんでした。
そして遂に1955年、ゼネラル・エレクトリック社がHPHT(高温高圧)法を確率し、史上初の人工ダイヤモンドを生成しました。これとほぼ同時期にスウェーデンのASEA社でも人工ダイヤモンドの生成に成功しました。しかし、ASEA社で生成した人工ダイヤモンドはかなり小さかったため公表はされませんでした。ゼネラル・エレクトリック社のダイヤモンドも小さかったので宝石用ではなく医療や工業用として利用されました。
1962年には、東芝が日本で初めて人工ダイヤモンドの生成に成功しました。
1968年には、HPHT法とは異なるCVD(化学気相蒸着)法が旧ソ連とイギリスにより確立されました。
1970年には、ゼネラル・エレクトリック社が、宝石用のカットができるくらい大きな人工ダイヤモンドの生成に成功しました。
その後、大手ダイヤモンド商社のデビアス社がより大きく高品質な人工ダイヤモンドの生成に成功しました。
その後の更なる生成技術の向上により、現在の人工ダイヤモンドは天然ダイヤモンドとの判別が難しくなるほどクオリティを上げました。

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