鉱物の世界へようこそ!

Welcome to The World of Minerals

ダイヤモンドにまつわる逸話

ダイヤモンドについて

ダイヤモンドにまつわる逸話

人々の心を魅了するダイヤモンドには沢山の逸話があります。今回は2つの有名な逸話を紹介したいと思います。

1つ目は、”呪い”のブルーダイヤモンドとして有名な「ホープダイヤモンド」のお話です。
ホープダイヤモンドについて、様々な憶測や伝説が残されていますが今回はなるべく皆さんの興味が湧くように、かつ簡潔に説明します。

まず、ホープダイヤモンドは9世紀にインドのデカン高原に流れる川で見つけられます。その後、ホープダイヤモンドはヒンドゥー教寺院に置かれた女神シータ像の目にはめ込まれました。これを17世紀にフランス人のダヴェルニエが盗み、ルイ14世に売却したと言われています。ダヴェルニエがホープダイヤモンドを盗んだ際に、ヒンドゥー教僧侶がホープダイヤモンドに呪いをかけたとされています。その後、タヴェルニエは狼に食い殺されたという伝説が残っています。ホープダイヤモンドを購入したルイ14世も子供や孫に先立たれたそうです。その後、ホープダイヤモンドを譲り受けたルイ16世とマリーアントワネットもフランス革命により処刑されてしまいます。フランス革命の騒乱によってしばらくホープダイヤモンドは歴史から姿を消しますが、19世紀に銀行家のヘンリー・ホープが入手します。ここで初めてホープダイヤモンドの呪いの伝説が周知されるようになり、”ホープダイヤモンド”と呼ばれるようになりました。ヘンリー・ホープも、度重なる事故や破産でホープダイヤモンドを手放さざるを得ない状況となり、手放しました。その後、ダイヤモンド商のハリー・ウィンストンが購入し、国立自然博物館に寄贈しました。これにて呪いの連鎖は終わりを迎えるのでした。

2つ目は、フランスの歴史と共に歩んできた”リージェントダイヤモンド”のお話です。

この伝説は、18世紀にインドのバーシェル鉱山で働いていた奴隷が、400カラットものダイヤモンド原石を見つけたことから始まります。このダイヤモンド原石を持ち出そうと思った奴隷は、自分のふくらはぎに巻いてあった包帯に原石を隠して運び出しました。奴隷はイギリス人船長と共謀し国外逃亡を試みました。しかし、リージェントダイヤの存在を知った船長は奴隷を裏切り、彼を殺してしまいます。船長はその後トーマス・ピットにリージェントダイヤを高値で売るも、奴隷を殺してしまったという後ろめたさからリージェントダイヤを売った金を使い果たしたあと自殺してしまいます。船長からダイヤ原石を購入したピットは、装飾用に加工すべくイギリスに持っていきジェセフ・コープにカットを依頼します。2年の歳月をかけて遂に、140.5カラットのクッションカットが出来ます。あまりにカットの出来が良いため、誰かに盗まれるのではないかという疑心に常に取り憑かれたピットは心を病んでしまいます。心の重圧に耐えかねたピットは遂にリージェントダイヤモンドをフランス王ルイ15世に売ってしまいます。ルイ15世は、購入の手配をしたオルレアン公爵にちなんで購入したダイヤモンドを「リージェントダイヤモンド」と名付けました。このリージェントダイヤモンドは王妃マリーアントワネットも着用していました。最初は装飾品として使われていたリージェントダイヤモンドですが、次第に資金調達の担保として使用される機会が増えていきました。例えば、1800年のマレンゴーの戦いに際して馬を買うための担保となりました。ナポレオンの死によって一度はリージェントダイヤモンドがオーストリアに渡ることがありました。しかし、最終的にはフランスに返還され現在はルーブル美術館に保管されています。

タイトルとURLをコピーしました